【9/18 クイックレポート】『ドロステのはてで僕ら』1年ちょっとおくれの舞台挨拶

2019年第11回下北沢映画祭で製作発表をした『ドロステのはてで僕ら』。

現在、ヨーロッパやアジアなど海外映画祭で受賞ラッシュ&北米での劇場公開が決定しているこのエクストリーム時間SFの上映と、1年ちょっと遅れの舞台挨拶を行いました。

 

SFはあんまり得意じゃないので(笑)

元々「ハウリング」という上田誠さん原作の11分の短編映画から、長編に生まれ変わった本作。

最初にハウリングの制作をした時は、入りくんだ時間の設定が複雑で「何がしたいのか分からなかった」と主演の土佐さん。

土佐さん「ハウリングがあったから、なんとなくイメージはわかりましたけど。(ドロステの撮影中)途中から考えることを諦めてました(笑)」

中川さん「オザワ役の酒井さんはSFが好きだから楽しそうだったよね。オザワさん以外はそんなに理解してる人いないんじゃないかな」

山口監督「編集をして映像が出来上がってきて、こういうことかということが結構ありました」

 

アナログでタイトな撮影現場

201910月の下北沢映画祭での製作発表後、まずはすぐに撮影場所のロケハンに行ったとのこと。

原作・脚本の上田誠さんは場所を実際に見てそれに合わせた物語を書くのが得意なため、場所を決めてから脚本執筆に入りました。

1階にカフェ・2階以上には実際に入居者がいるマンションでの撮影だったため、昼間のカフェ営業が終わった後、夕方から夜を通して朝までの撮影が連日続いたそう。

深夜の撮影について住人の方にご挨拶をするために、山口監督自ら菓子折りをお渡しに回ったというエピソードも。

合成を使っていないため、まずは画面の一番奥から順に撮影を進めた撮影。

夜に画面の中の様子を撮影して、それを翌日の昼間に即編集し、その映像をテレビに映した状態で次の画面(ひとつ手前の画面)の撮影をする・・・というかなりアナログで、タイトな撮影現場だった思い出をうかがいました。

 

こんなもんじゃない!海外映画祭での快進撃

SFジャンルの作品が多くノミネートされる世界三大ファンタスティック映画祭のうち、2つは入選している『ドロステ』。
(シッチェス・カタロニア国際映画祭、ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭)

山口監督「日本映画で3つ全部制覇したのが『アイアムアヒーロー』しかないので、結構すごいことなのではないか」

いまリストアップされている以上に、”こんなもんじゃない”数の海外上映が決まっている『ドロステ』。快進撃はまだまだ続きます。

 

最後に登壇の3名から一言ずついただきました。

土佐さん
「公開から一年以上経ってもいろんなところで見ていただけるのが嬉しい。まだまだ頑張っていきたいので、引き続き応援お願いします。」

中川さん
「コロナじゃなかったらどんなことになっていたんだろう。でもコロナだったからこそ早めに配信できてご自宅で楽しんでいただけたり、劇場に「いますキャンペーン」をできたりしたので、ドロステこんなもんじゃない!という気持ちを持ってこれからもよろしくおねがいします」

山口監督
「みなさんのおかげでここまで盛り上がってきた。そのお返しをするべく、もっと盛り上げていきたい。『ドロステ』は下北沢映画祭のおかげで出来上がった映画なので、映画祭も応援していただけると嬉しいです」

 

会場からの大きな拍手とともに、終始笑いのあふれるあっという間の舞台挨拶でした!