【9/16 クイックレポート】『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』をめぐって

第15回下北沢映画祭、初日のふたつめのプログラムは、Bプログラム”『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』をめぐって”。

『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』は、第13回下北沢映画祭で『眠る虫』を招待上映した、金子由里奈監督による長編商業デビュー作。大前粟生氏による同名小説を映画化したやさしさの意味を問い直す物語です。

上映後は金子由里奈監督と、本作の宣伝デザインを務めた大島依提亜さん、MCの奥浜レイラさんにご登壇いただき、クロストークを行いました。

今回の上映で久しぶりに作品を鑑賞されたという金子由里奈監督。

「あまりスクリーンでは出逢えないような登場人物たちと会い、改めて彼らがそこに居たと感じた」とコメント。下北沢映画祭での上映では、ときどき笑い声が上がっていたのが新鮮だったとのことです。

初めて本作を鑑賞された際の印象について大島依提亜さんに伺うと、「自分と映画との間にコミュニケーションが必要だと感じ、それがとても嬉しかった。最近この映画の事を思い出すことが多く、自分にとって大きな作品になっている。」とコメントをいただきました。

大島依提亜さんが手掛けた、宣伝デザインについても伺いました。

パンフレットは表紙の柔らかな素材にタグをつけることで、ぬいぐるみが持つ商品としての性質とふわふわとしたかわいらしさの両側面を表現したとのこと。

ポスターのキャストクレジットなどは各文字が3度ほど回転しており、「一つ一つはつんのめっていてぎこちないが、全体として見た時に言葉にならない共通した安定感が見えてくるのではないか」という想いで制作されたそうです。

最後に会場のお客さんに向けてメッセージを伺うと、金子由里奈監督からは「対話の可能性がある映画だと思うので、ぜひ鑑賞後に色々なことをしゃべっていただけたらと思う。対話の足りてなさが社会の生きづらさにつながっていると思うので自分も含めて対話をしていきたい」とお話しいただきました。

大島依提亜さんは、「本当に素晴らしい作品なので、ぜひ金子由里奈監督の過去作もご覧ください。」とコメント。ご持参されたぬいぐるみ、”ねずみくん”と共にフォトセッションをしていただきました。

まさに、来場した方から多くの対話を生み出すような貴重なお話をじっくりとお伺いしたクロストークでした。

ご登壇いただいた金子由里奈監督、大島依提亜さん、MCの奥浜レイラさんありがとうございました!