【9/20 クイックレポート】第13回下北沢映画祭コンペティションー第一部

【第1部】舞台挨拶

中原健仁監督(『淡いブルー』)

冬の青森の風景は淡く、少し閉鎖的な中にも“輝き”のようなものがあるのをずっと感じていて、それを映像に収めたいと思ったのがきっかけで撮った作品です。

特にラストシーンは、広がる津軽平野を走る濡れた道路と残雪、冷たい空気を吸いこんで新たな気持ちでその道を歩き出す姿を撮りたい、と思っていました。

撮影は2020年の2月頃、世の中がコロナ禍でモヤモヤしはじめた雰囲気の中だったのですが、いい意味で小さなことがどうでもよくなるような、冬の青森の澄んだ空気ごと伝わる作品になっていたら嬉しいです。


 

宮原拓也監督(『ROUTINE』)

ジャグラーを描きたくて、「#ジャグラー」で検索しているうちに、主演のハチロウさんと出会いました。

調べてみるとジャグラーにもいろいろなスタイルの方がいるのですが、ハチロウさんとお会いして実際にジャグリングを見せて頂いたことで、このキャラクターが膨らんでいきました。

コロナ禍が本格化する直前に撮影した作品なので、コロナによって変わってしまったものとはまた違う世界が描けたかな、と思っています。


 

鈴木竜也監督(『MAHOROBA』)

途中で画角を変える演出は、ひとりで作業をしながら「もしスクリーンで上映されるなら、こんな風に表現してみたいな」と思いながら仕掛けたものです。

同じように画角の変わるスパイク・リー監督の『ザ・ファイブ・ブラッズ』や、グザヴィエ・ドラン監督の『Mommy』からも影響を受けています。

シンメトリーの構図が好きなので、色々なサイズでシンメトリーなデザインをやってみたい、という思いも活かして作りあげました。


 

吉本圭監督(『今日を眠る場所』)

自分としては本来ならしないような方法を敢えて採った、チャレンジングな作品です。

少し伝わりづらいところもあったかもしれませんが、正解のない問題を考えるきっかけになったら嬉しいです。

俳優の皆さんが素晴らしい方たちばかりで、助けられました。僕の方からあれこれ言うよりも、実際にカメラの前で演技をしてもらうことで見えてくることも多く、現場で一緒に考えながら作り上げていった作品です。